「フーガはユーガ」伊坂幸太郎 2
窓から差し込む陽の光が、
なんだか春の訪れを感じさせるような温かみを帯びていました。
気分も少し上がり、春めいた服装で出かけたものの、
夜は寒くて、歯をがちがち言わせながら帰宅しました。
こんばんは。
今回、ご紹介する本は、伊坂幸太郎さんの「フーガはユーガ」です。
伊坂幸太郎さんは好きな作家さんの一人ともあって、この新作も読むのを心待ちにしていました。
しかし、度重なるテストと課題。それに加えて、バイトの猛攻。発狂寸前でした。いっそのこと虎になって走り出して、現実逃避でもしようと思いましたよ。でも、この話に出てくる兄弟の境遇を知ってしまったら、私の葛藤など小さく思えました。
【あらすじ】
双子の兄弟の優我・風我は、家出をした小学生の女児と出会った。
話しかけたのも、ましてやお守りとしてシロクマのぬいぐるみを渡したのも、ただの気まぐれだった。
しかし、それが彼ら兄弟にとってずっと残り続ける過ちになるとは、誰も予想がつかなかった。
普通ではない不運な双子の兄弟だからこそ、「手強い」彼らが過去の過ちを挽回しにかかる。
、、、ふう。
あらすじ書くのって本当に難しいです。
いつか上手くなるのだろうか。
読後、遣る瀬無い気持ちでいっぱいでした。
後半に差し掛かり、加速する物語の展開。
自ずとページをめくるスピードは早くなっていった。
だが、一方で結末を受け入れたくない、という自分もいました。
多分悔しかったのだと思います。
彼らは二人で一人。
でも、幸せだけは二人で一人にしてほしくなかった。
世の中には、生まれた時から不運と言わざるを得ない環境の人はたくさんいる。
ついこの間も、まだ生まれて間もない女児が親に虐待されて死亡した、というニュースを見ました。
では、そのような人たちは何を希望にして生きているのか。
それはきっと、いつか“普通の生活”を送ることだ。
それこそが、彼らが求める幸せの一つになるのだろう。
では、私の幸せとは?
彼らが願い続けている、幸せな“普通の生活”を当たり前のように過ごしている、私の幸せって何だ。
どうやら、私は今の環境を何も活かしきれていないようだ。